皮膚の構造
皮膚の構造について
皮膚の表面
- 皮膚小溝(皮溝)....皮膚のくぼみ→皮野=皮膚のきめ
- 皮膚小稜(皮丘)・・・・皮膚の高まり→指紋
- 皮膚のしわ....運動ひだ(屈曲腺)や老化現象
皮膚の断面
- 表皮 真皮 皮下組織からなる
- 表皮 真皮で2ないし2.2mm、男性は厚い
表皮
表皮はどんな細胞からできている?
・角化細胞(ケラチノサイト)・色素細胞 ・ランゲルハンス細胞 ・メルケル細胞からなる
・上から角質層 透明層 顆粒層 有棘層 基底層からなる
角化細胞(ケラチノサイト)とは?
・表皮細胞の95%でケラチンを作る細胞
色素細胞とは?
・皮膚の色素メラニンを作る細胞
・基底細胞の核DNAが日光の紫外線に障害されぬよう保護
ランゲルハンス細胞とは?
・免疫に関与する細胞
メンケル細胞とは?
一種の感覚器官
表皮と真皮の堺
- 皮が球状(乳頭)に上に付だし表皮に波上につながる。
- そのために皮膚が弾力に富む。老化すると波形が小さくなり弾力性が衰える。
真皮
- 表皮の数倍の厚さがある。乳頭は血管や神経が多く、物質代謝などで重要な役割
- 真皮の繊維の大部分は「膠原繊維」とその間の「弾力繊維」からなる。
- 両者の間にはゼリー状の基質。水分 タンパク質 炭水化物など
皮下組織
- 真皮の下は多量の脂肪を含んだ皮下組織
- 皮下脂肪
・手掌や足底(常に一定の脂肪)→クッションの役目
・体内の熱が外界から左右されない→断熱材の役目
・余分な栄養物質を脂肪として蓄える役目脂肪のたまる部分は男女や年齢、栄養状態、内分泌的な影響で異なる。
問題と解説
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皮膚の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
第46回出題
(1)表皮は、基底層、有棘層、顆粒層、角質層の4つの層からなる。
(2)角化細胞(ケラチノサイト)は、表皮内に侵入した抗原物質(アレルゲン)を取り込む性質がある。
(3)ランゲルハンス細胞は、約1か月かけて基底細胞から角質細胞に分化する。
(4)色素細胞(メラノサイト)の数は、同一部位で比較すると人種によって大きく異なる。 -
正解(1)
表皮内に侵入した抗原物質(アレルゲン)は、ランゲルハンス細胞が取り込んで処理する。したがって1か月かけて基底細胞から角質細胞に分化するのは角化細胞(ケラチノサイト)である。
同一部位で比較すると色素細胞(メラノサイト)の数は人種や個人にほぼ関係なく同じである。
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皮膚と付属器官の生理機能に関する記述のうち、誤っているものはどれか?
第46回出題
(1)ヒトでは、皮膚呼吸はほとんど行われない。
(2)皮膚表面の脂肪膜と角質層のケラチンは、科学的刺激に対する保護の働きをしている。
(3)皮膚表面の脂肪膜は、pH7くらいなので、細菌の発育を抑制しない。
(4)湿度と関係なく精神的な感動によって手掌 (しゅよう)や足底、腋窩から急激に汗が出ることを精神性発汗という。 -
正解(3)
皮膚表面の脂肪膜は、pH4.5~6.5の弱酸性を示す。このため最近などは発育を抑制されて死滅する。
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皮膚に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
第47回出題
(1)頭の皮膚は厚くて強く、ゴムのようなかたさと弾力を持っている。
(2)体幹の皮膚は、腹側よりも背側の方が厚い。
(3)顔の皮膚は、全体的に暑さが均一である。
(4)耳を覆う皮膚の皮下組織は少なく、皮下脂肪はほとんどない。 -
正解(3)
顔の皮膚は一般的に薄くて柔らかい。しかし、部位によって暑さの差が著しい。
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皮膚付属器官に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
第47回出題
(1)毛根の下端のフラスコ状に膨らんだ部分を毛幹という。
(2)脂腺は、手掌や足底に最も多く分布する。
(3)汗腺には、エクリン線とアポクリン腺がある。
(4)爪の主な成分は、エラスチンである。 -
正解(3)
毛根の下端のフラスコ状に膨らんだ部分を毛球という。
手掌と足底には脂線が無い。
脂線は頭毛の生えている部位、額、眉間、鼻翼の周辺や下顎などに多い。
爪の主成分はケラチンである。
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皮膚の疾患と病原体に関する次の組み合わせのうち、正しいものはどれか。
第47回出題
(1)伝染性軟属腫(ミズボウソウ)ー細菌
(2)伝染性膿痂疹(トビヒ)ーヒゼンダニ
(3)帯状疱疹ー真菌
(4)尋常性疣贅ーウイルス -
正解(4)
伝染性軟属腫(ミズボウソウ)はウイルスによる皮膚疾患である。伝染性膿痂疹(トビヒ)は細菌による皮膚疾患である。帯状疱疹はウイルスによる皮膚疾患である。