消毒法希釈問題について
希釈問題の簡単な考え方
例題: 5%次亜塩素酸ナトリウムを100倍希釈すると、0.1%水溶液になる。
この問題をわかりやすくするために、カルピスで例えます。
【問題1】 カルピスの原液が 5% の濃さになっています。
この原液を 100倍に薄める と、何%の濃さのカルピスになるでしょうか?
【解説】 「5%のカルピス原液」というのは、 100mL のうち 5mL がカルピスの味のもと になっているということです。
では、この 5%のカルピス原液を 100倍に薄める とはどういうことでしょうか?
100倍に薄めるということは、 1mLの原液を99mLの水と混ぜる ということです。
つまり、 100mLの中にカルピスの味のもとが 5mL だったものを、100倍の 10,000mL に広げる ことになります。
そのため、100倍に薄めたあとの濃さは
5% ÷ 100 = 0.05% となります。
【まとめ】
5%のカルピス原液を 100倍に薄めると、0.05%のカルピスになります!
じゃあ「0.1%のカルピス」にしたいなら?
5%の原液を 50倍に薄める と、0.1% になりますよ。
計算は 5% ÷ 50 = 0.1% ですね。
この考え方を使えば、5%の次亜塩素酸ナトリウムを100倍に薄めると 0.05% になります!
5%次亜塩素酸ナトリウムを50倍希釈すると、0.01%水溶液になる。
同様にカルピスで例えます。
【問題2】 カルピスの原液が 5% の濃さになっています。この原液を 50倍に薄める と、何%の濃さのカルピスになるでしょうか?
【解説】 「5%のカルピス原液」というのは、 100mL のうち 5mL がカルピスの味のもと になっているということです。
では、この 5%のカルピス原液を 50倍に薄める とはどういうことでしょうか?
50倍に薄めるということは、 1mLの原液を49mLの水と混ぜる ということです。
つまり、 100mLの中にカルピスの味のもとが 5mL だったものを、50倍の 5000mL に広げる ことになります。
そのため、50倍に薄めたあとの濃さは、
5% ÷ 50 = 0.1% となります。
【まとめ】 5%のカルピス原液を 50倍に薄めると、0.1%のカルピスになります!
では、「0.01%のカルピス」にしたいなら?
5%の原液を 500倍に薄める と、0.01% になりますよ!
計算は 5% ÷ 500 = 0.01% ですね。
この考え方を使えば、5%の次亜塩素酸ナトリウムを50倍に薄めると 0.1% ではなく、0.1%ではなく 0.1%のさらに 10分の1 の 0.01% になります!
「5%のカルピス原液」というのは、 100mL のうち 5mL がカルピスの味のもと になっているということです。
ここが、なんで100ml?どこから出てきた?となると思います。
なんで100mLで計算するの?
それは 「%(パーセント)」が100を基準にしている からです!
〇 パーセント(%)ってどういう意味? 「%(パーセント)」は、 全体を100として考える 数の表し方です。
たとえば、5%のカルピス というのは、 「全体の100のうち 5つがカルピスの味のもと」 という意味です。
〇 じゃあ、なぜ100mLで計算するの? 100を基準にすると 計算がシンプル になるからです!
たとえば、5%のカルピス を100mLで考えると、 「100mLのうち 5mLがカルピス原液」 なので、すぐに分かります。
でも、もし 200mLの液体 だったらどうなるでしょう?
5%というのは「全体の100のうち5つがカルピスの味のもと」という意味なので、 200mLの5%は 200 × 5 ÷ 100 = 10mL になります。
ちょっと計算が増えますよね?
でも、100mLを基準にすると、5%なら5mL、10%なら10mL というふうに すぐに分かるので、計算が簡単になります!
もし100mL以外で考えたらどうなる?
たとえば、500mLのジュース で 5% のカルピスを作るとします。
この場合、5%は「全体の100のうち5つがカルピスの味のもと」という意味なので、 500 × 5 ÷ 100 = 25mL がカルピス原液です。
このように、100mLじゃなくても計算はできるけど、100mLを基準にするとすぐに分かる から、100mLで説明することが多いんです!
まとめ パーセント(%)は「100のうちいくつ?」を表す 記号!
100mLを基準にすると、計算が簡単になる!
100mLじゃなくても計算はできるけど、すぐに分かるように100mLで考えることが多い!
だから 「5%のカルピス」って聞いたら、100mLのうち5mLがカルピスの味のもと ってすぐに分かるんです!
問題と解説
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次亜塩素酸ナトリウム水溶液の調製に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。50回出題
(1) 水98に対して5%次亜塩素酸ナトリウム2の割合で混合すると、0.1%水溶液になる。
(2) 5%次亜塩素酸ナトリウムを100倍希釈すると、0.1%水溶液になる。
(3) 水99に対して5%次亜塩素酸ナトリウム1の割合で混合すると、0.01%水溶液になる。
(4) 5%次亜塩素酸ナトリウムを50倍希釈すると、0.01%水溶液になる。 -
正解:(1) が正しい。
解説
希釈計算の基本希釈液の濃度を求めるには、以下の公式を使います。
選択肢ごとの計算
(1) 水98に対して5%次亜塩素酸ナトリウム2の割合で混合
- 原液の濃度:5%
- 原液の量:2mL
- 希釈液(水)の量:98mL
- 総量:2 + 98 = 100mL
➡ (1) は正しい。
(2) 5%次亜塩素酸ナトリウムを100倍希釈
100倍希釈とは、原液1に対して水99の割合で混合することを意味します。
➡ (2) は誤り。(正しくは0.05%)
(3) 水99に対して5%次亜塩素酸ナトリウム1の割合で混合
- 原液の濃度:5%
- 原液の量:1mL
- 希釈液(水)の量:99mL
- 総量:1 + 99 = 100mL
➡ (3) は誤り。(正しくは0.05%)
(4) 5%次亜塩素酸ナトリウムを50倍希釈
50倍希釈とは、原液1に対して水49の割合で混合することを意味します。希釈後の濃度
➡ (4) は誤り。(正しくは0.1%)
正解:
➡ (1) が正しい。
まとめ
- 希釈後の濃度は、 (原液の濃度 × 原液の量) ÷ 総量 で求める。
- X倍希釈 は 原液1に対して水(X-1)の割合 で混ぜることを意味する。
- 正解は (1) 水98 + 5%原液2mL = 0.1%水溶液 でした。
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消毒薬水溶液の調製に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。49回
(1) 0.2%逆性石けん水溶液1,000mLを調製するためには、水990mLに10%逆性石けん10mLを加える。
(2) 0.1%両性界面活性剂水溶液1,000mLを調製するためには、水980mLに 10%両性界面活性剤20mLを加える。
(3) 0.05%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液1,000mLを調製するためには、水 995 mLに20%グルコン酸クロルヘキシジン5mLを加える。
(4) 0.05%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1,000mLを調製するためには、水 990mLに5%次亜塩素酸ナトリウム 10mLを加える。 -
正解 (4)
解説
希釈計算の基本希釈後の濃度を求めるには、以下の公式を使用します。
ポイント
- X%の原液を使う場合 → 100mL中にXgの有効成分が含まれる
- 希釈水を加えて指定の濃度になるように調整する
選択肢ごとの計算
(1) 0.2%逆性石けん水溶液1,000mLを調製
- 原液の濃度:10%
- 原液の量:10mL
- 希釈液(水)の量:990mL
- 総量:10 + 990 = 1,000mL
希釈後の濃度
➡ (1) は誤り(正しくは0.1%)
(2) 0.1%両性界面活性剤水溶液1,000mLを調製
- 原液の濃度:10%
- 原液の量:20mL
- 希釈液(水)の量:980mL
- 総量:20 + 980 = 1,000mL
希釈後の濃度
➡ (2) は誤り(正しくは0.2%)
(3) 0.05%グルコン酸クロルヘキシジン水溶液1,000mLを調製
- 原液の濃度:20%
- 原液の量:5mL
- 希釈液(水)の量:995mL
- 総量:5 + 995 = 1,000mL
希釈後の濃度
➡ (3) は誤り(正しくは0.1%)
(4) 0.05%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1,000mLを調製
- 原液の濃度:5%
- 原液の量:10mL
- 希釈液(水)の量:990mL
- 総量:10 + 990 = 1,000mL
希釈後の濃度
➡ (4) は正しい
正解
(4) 水 990mLに5%次亜塩素酸ナトリウム 10mLを加えると、0.05%の水溶液が作成できる。
まとめ
- (1) → 誤り(0.1%になってしまう)
- (2) → 誤り(0.2%になってしまう)
- (3) → 誤り(0.1%になってしまう)
- (4) → 正しい(0.05%になる)
正解は (4) です!