技術(減点の無い作品)
課題毎の技術の条件をもとに、採点項目を理解し減点の無い作品を作成をつくります。
- 第一課題の審査について
- 第二課題の審査について
- セルフジャッジ(採点方法の理解)
採点項目の理解
審査の基本的な考え方
1.採点方式
美容の基礎技術について(カッティング・ワインディング・オールウェーブセッティング)受験者の習熟度を、作品の仕上がり状態で判定します。
具体的には、作業を行う前に使用する用具類等の規格適合状況を審査し、作業終了後には作品の完成度を観察し、基礎的技術の評価基準に応じてその良否を「○」又は「×」で評価します。
2.判定基準
審査をする上で最も重要なことは、受験者が基礎的技術をいかに身に付け習熟しているかを、作品の完成度から見極めることです。
養成課程修了者として備えるべき美容の基礎的技術が十分に習熟されている場合
は、マークシ-トの○の欄に、達していない場合はマークシートの×の欄にそれぞれマークすることとします。
審査マニュアル
審査事項ごとの審査のポイント及び×の対象は次のとおりです。
第45回までの情報になります。
変更修正があった場合は随時修正させていただきます。
第1課題カッティング
第1部 準備時間前の審査
審査番号1 モデルウイッグ規格適合状況
【審査のポイント 】
標準仕様適合シール貼付の有無を確認する。
【×の対象】
標準仕様適合シールが貼られていない。
審査番号2 モデルウイッグに対する禁止事項の有無
【審査のポイント 】
モデルウイッグに対する禁止事項又は事前処理の有無を審査する。
【×の対象】 次のいずれかに該当する場合
● 作業の目安となるもしくはそのおそれのあるマーキングがある。
● 毛髪が濡れている又は化粧品等が塗布されている。
● 毛髪の一部がカットされている。
ポイント1
●国家試験に適合したウイッグを持参する。
●バッグの中で毛髪が濡れるようなことが内容に慎重に持参する。
●中古品を購入した場合はカットされていないか?マークが無いか?等慎重に調べて持参する。
第2部 準備時間中の審査
審査番号3 カッティング技術用用具類の有無及び規格
【審査のポイント】
カッティング技術で使用する全ての用具類(衛生用具類を除く)の品
目、数量及び規格適合状況を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
● カッティング技術で使用する用具類の品目又は数量が不足してい
る。
● カッティング技術で使用する用具類の規格に適合していない用具類
が机上に出ている。
● カッティング技術で使用する用具類として定められていない用具類
が机上に出ている。
ポイント2
●カッティングに必要のない道具は出さない。(第二課題等)
●事前にカッティングに必要な道具類はまとめてしまう。
●受験案内のカッティング用道具類の個所を必読
第3部 作業終了後の審査
審査番号4 仕上がり状態
【審査のポイント 】
未完成部分の有無及び仕上がり状態について審査する。
【×の対象】
4-⑴ 明白な切り残しの毛髪がある。
4-⑵ モデルウイッグの顔面拭き取りが不十分なため、毛髪や水滴が付
着している。
4-⑶ ダックカールクリップが除去されていない。
審査番号5 毛髪の長さ
【審査のポイント 】
スタイル構成の要となるフロント、もみあげ及びネープの毛髪の長さが許容範囲内であることを確認する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
● フロントの長さが6㎝より2㎝以上過不足している。
● もみあげの長さが10㎝より2㎝以上過不足している。
● ネープの長さが10㎝より2㎝以上過不足している。
【留意事項】
○ 計測は、毛髪の長さが明らかに許容範囲を超えていると思われる場合のみ実施するものとする。
審査番号6 ヘムラインのつながり
【審査のポイント 】
ヘムラインのつながりを審査する。
【×の対象】
● ヘムラインのいずれかの部分に2㎝以上の段差又は飛び出た長い毛髪がある。
【留意事項】
○ ヘムラインの審査では、イヤツーイヤパートで分けた顔面側をフロントとし、後頭部側をネープとする。
審査番号7 カットライン(切り口)のつながり
【審査のポイント 】
フロントからネープ、トップからサイド及びトップからバックサイドのパネルのカットラインのつながり並びにカットラインから出た長い毛髪の有無を審査する。
【×の対象】
7-⑴ フロントからネープまでの審査の範囲に2㎝以上の段差又は飛び出た長い毛髪がある。
7-⑵ トップからサイドの審査の範囲に2㎝以上の段差又は飛び出た長
い毛髪がある。
7-⑶ トップからバックサイドの審査の範囲に2㎝以上の段差又は飛び
出た長い毛髪がある。
【留意事項】
〇パネルの幅は約2㎝とし、中心が地肌から90度となるように引き出すこと。
ポイント3
【サイドとバックサイドのパネルを引き出す位置と審査の範囲】
第2課題ワインディング
第1部 準備時間前の審査
審査番号1 モデルウイッグに対する禁止事項の有無
【審査のポイント】
モデルウイッグに対する禁止事項の有無を審査する。
【×の対象】
● 作業の目安となるもしくはそのおそれのある植毛、脱毛、染毛、毛髪の切断等の加工又はマーキングがされている。
【留意事項】
○ 毛髪の長さや毛量の調整、パーマネント及び染毛の薬液処理並びに水の塗布は事前処理として認めている。
○ モデルウイッグに課題作成をした痕跡が明らかに残っている場合は、マーキングとみなす。
第2部 準備時間中の審査
審査番号2 ワインディング技術用用具類の有無及び規格
【審査のポイント 】
第2課題ワインディング技術で使用する全ての用具類(衛生用具類を除く)の品目、数量及び規格適合状況を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
● ワインディング技術で使用する用具類の品目又は数量が不足してい
る。
● ワインディング技術で使用する用具類の規格に適合していない用具
類が机上に出ている。
● ワインディング技術で使用する用具類として定められていない用具
類が机上に出ている。
ポイント1
準備時間内の審査は第1課題同様の注意点。必要でない道具類は出さない、用具類の不足が内容にするなど。
第3部 作業終了後の審査
審査番号3 作業終了後の処置状況
【審査のポイント】
作業終了後の処置状況について審査する。
【×の対象】
● モデルウイッグの顔面拭き取りが不十分で、顔面又は首に毛髪又は水が付着している。
審査番号4 仕上がり状態
【審査のポイント】
未完成部分の有無を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
● 巻き残した毛髪が毛束となっている。
● 輪ゴムが掛けられていないロッドがある。
【留意事項】
○ 若干の毛髪の巻き残しは、「審査番号8-⑷ 巻かれていない毛髪が複数個所にある。」の項目で審査する。
○ 輪ゴムが正しく掛けられていない場合は、「審査番号8-⑴ 輪ゴム
の掛け方」の項目で審査する。
審査番号5 技術の条件の適合状況
【審査のポイント】
技術の条件の適合状況を審査する。
【×の対象】 次のいずれかに該当する場合
● フロントの斜めパートラインが左右逆に作られている。
● フロントに斜めパートラインがなく、オールバックに巻き収められ
ている。
● サイドのロッドが水平に対して45度以上斜め後方に巻き収められている。
【留意事項】
○ サイドとは、左右の耳上部で、ロッドを下方向に巻き収める範囲をいう。
審査番号6 ロッドの種類と配列
【審査のポイント】
ロッドの種類と配列を審査する。
【×の対象】
6-⑴ フロントの巻き始め、サイド及びネープのいずれかにショートロッドが使用されていない。
6-⑵ ロッドの種類と配列
次のいずれかに該当する場合
● センターに使用されたロッドの太さが3種類以下である。
● サイドに使用されたロッドの太さが1種類である。
● センターの巻き始めからネープに向けて太いロッドから細
いロッドへと順番に巻き収められていない。
● サイドのロッドが、下方向に太いロッドから細いロッドへ
と順番に巻き収められていない。
審査番号7 ロッドの方向性とステムの角度
【審査のポイント】
ロッドの方向性及びステムの角度を審査する。
【×の対象】
7-⑴ フロント右側5本又は左側2本のロッドが斜め後方に巻き収められていない。
7-⑵ サイド又はバックサイドからネープにかけてシンメトリーでない。
7-⑶ ネープが生え際に沿ってラウンドするように巻き収められていな
い。
7-⑷ 使用したロッドの過不足等により、半数以上のロッドのステムの
角度が技術の条件どおりでない。
【留意事項】
○ 7-⑵は、サイド又は左右のバックサイドからネープにかけてのロッドが1本以上ずれている、又は巻かれているロッドの本数や太さが異
なる場合をいう。
○ 7-⑶は、ネープの範囲内で、耳の上端より下の部分のロッドがラウ
ンドするように巻き収められていない場合をいう。
審査番号8 輪ゴムの掛け方とロッドの巻き収め状態
【審査のポイント】
輪ゴムの掛け方及びロッドの巻き収め状態を審査する。
【×の対象】
8-⑴ 輪ゴムの掛け方
次のいずれかに該当する場合
● 1本1重に掛けられていない。
● クロスに掛けられている。
8-⑵ ロッドの巻き収め状態
次のいずれかに該当する場合
● 巻かれたロッドから毛先が出ている。
● 半数以上のロッドの表面に毛髪の浮きや重なりがある。
● 半数以上のロッドがベースから浮いている。
8-⑶ ベースからロッドの直径分以上離れてぶら下がっているロッドが
ある。
8-⑷ 巻かれていない毛髪が複数個所にある。
第2課題オールウェーブセッティング
第1部 準備時間前の審査
審査番号1 モデルウイッグに対する禁止事項の有無
【審査のポイント】 ☆ モデルウイッグに対する禁止事項の有無を審査する。
【×の対象】 ● 作業の目安となるもしくはそのおそれのある植毛、脱毛、染毛、毛髪の切断等の加工又はマーキングがされている。
【留意事項】 ○ 毛髪の長さや毛量の調整、パーマネント及び染毛の薬液処理並びに水又はローションの塗布は事前処理として認めている。
○ モデルウイッグに課題作成をした痕跡が明らかに残っている場合は、マーキングとみなす。
第2部 準備時間中の審査
審査番号2 オールウェーブセッティング技術用用具類の有無及び規格
【審査のポイント 】
第2課題オールウェーブセッティング技術で使用する全ての用具類(衛生用具類を除く)の品目、数量及び規格適合状況を審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
● オールウェーブセッティング技術で使用する用具類の品目又は数
量が不足している。
● オールウェーブセッティング技術で使用する用具類の規格に適合
していない用具類が机上に出ている。
● オールウェーブセッティング技術で使用する用具類として定めら
れていない用具類が机上に出ている。
ポイント1
準備時間内の審査は第1課題同様の注意点。必要でない道具類は出さない、用具類の不足が内容にするなど。
第3部 作業終了後の審査
審査番号3 作業終了後の処置状況
【審査のポイント】
作業終了後の処置状況について審査する。
【×の対象】
3-⑴ シングルピン又はダブルピンがモデルウイッグに残ってい
る。
3-⑵ モデルウイッグの顔面拭き取りが不十分で、顔面又は首に毛
髪、ローション又は水が付着している。
審査番号4 仕上がり状態
【審査のポイント】
未完成部分の有無を審査する。
【×の対象】 次のいずれかに該当する場合
● オールウェーブ7段構成の一部が完成していない。
● いずれかのピンカールにピンが使用されていない。
【留意事項】
○ メイポールカールにクロスピニングがされていない場合は、「審査番号9 ピニング」の項目で審査する。
審査番号5 技術の条件の適合状況
【審査のポイント】 ☆ 技術の条件の適合状況を審査する。
【×の対象】 次のいずれかに該当する場合
● ノーパート7段構成でない
● 指定されたピンカールが指定された箇所に巻き収められていな
い。
【留意事項】
○ 左右交互に巻き収めなければならない連続したピンカールが同方向に巻かれている場合は、同方向のピンカールを合わせて1段とする。
○ 「● 指定されたピンカールが指定された箇所に巻き収められて
いない。」とは、スカルプチュアカールを巻き収める箇所にリフ
トカールを巻くなど、技術の条件と異なるピンカールが巻き収め
られている場合を言う。
審査番号6 全体のバランス
【審査のポイント】
オールウェーブ7段構成のバランスを審査する。
【×の対象】
次のいずれかに該当する場合
● ウェーブ構成が左右いずれかで頭部の縦1/3になっていない。
● 1段目から7段目までのハーフウェーブの幅のバランスが悪い。
● 耳上部のフィンガーウェーブが耳にかかっている。
● ウェーブ1段目のスカルプチュアカールの個数が4個以下又は7
個以上で作られている。
【留意事項】
○ ハーフウェーブの幅とは、フィンガーウェーブの幅をいい、フィンガーウェーブ1段ごとの幅のバランスを審査する。
ポイント2
審査番号7 フィンガーウェーブ構成
【審査のポイント】
フィンガーウェーブの良否を審査する。
【×の対象】
7-⑴ フィンガーウェーブの状態
次のいずれかに該当する場合
● ハーフウェーブが半円周になっていない。
● フィンガーウェーブに割れや重なりがある。
● フィンガーウェーブとピンカールのつながりが割れて
いる。
7-⑵ リッジが割れている、流れている、つまんで作られている。
【留意事項】
○ 7-⑴は、ハーフウェーブ1段毎に審査する。
審査番号8 ピンカール構成
【審査のポイント】
ピンカールの良否を審査する。
【×の対象】
8-⑴ ループの状態次のいずれかに該当する場合
● ループの大きさがウェーブ幅の2/3になっていないピン
カールが全体の半数以上ある。
● ループが浮いている、壊れている又はループから毛先
が出ている。
8-⑵ リフトカールの状態
次のいずれかに該当する場合
● ステムがねじれている又は割れている。
● ステムが地肌から45度の角度で立ち上がるように巻き収
められていない。
● ループがスライス線よりループの直径の1/2以上落ちて
いる。
8-⑶ カールスペースが広すぎる又は狭すぎる。
【留意事項】
○ 8-⑴は、リフトカールも含むこと。
○ 8-⑶のカールスペースは、ピンカール1列毎に審査する。
審査番号9 ピニング
【審査のポイント】
ピニングの良否を審査する。
【×の対象】 次のいずれかに該当する場合
● ピンカールのピニングがボビーピン1本でない。
● メイポールカールのピニングがボビーピン1本とオニピン1本と
のクロスピニングでない。
● 同一列で同方向にピニングされていない。
【留意事項】
○ ピニングは上下どちらからでも構わないが、1列毎に統一していること。
○ メイポールカールのクロスピニングは、ピン同士が交わっていれ
ばよいものとする。
○ クロッキノールカールのピニングは、両面打ち、片面打ちのどち
らでもよい。